1.Troubadour
作詞:ARIKA TAKARANO
作曲:MIKIYA KATAKURA
奏で歌わん 甲冑の下
鼓動は恋の獄
この世に浮かぶ嘘や汚れを
織りなす言葉に埋め
ただ美しい日々だけを
語りつづけ
捧げたいのです
青剣輝る切っ先へ
腕から注がれる力こそ
血潮を巡りながら
生まれくる歌
声をあげて響かせん
この身体 紅に染まろうと
黄金の宮殿に
あなたがいる限り
馨しい吐息の花よ
風に舞ってわが名を呼ぶ
進み戦え 愛する為に
わたしは月下の騎士
永遠の一夜を手にできるなら
幾千の太陽も殺す
祈り歌わん 兜を脱いで
束ねた髪を解く
鬱金色の土濡らす夜露
今日も涙に代わり
この狂おしい胸だけが
真実を
湛えているのです
古城映る潮に
羽撃ける白鳥の緋の喉よ
広がる波紋のように
詩はさざめく
北へ西へ馬は駆け
この肉体眠る場処持たずとも
蹄の音は空に
昇って星を抱く
墜ちるのは天上の奈落か
目蓋を閉じ あなたを想う
夢を流離う 茨の征野
わたしはトルバドゥール
紡がれてゆく記憶の先で
またひとり生まれ変わっても
奏で歌わん 甲冑の下
鼓動は恋の獄
幾世も満ちる悪や裏切り
織りなす言葉に埋め
いま美しいこの時代を
いつまでも伝えてゆけるなら
進み戦え 愛する為に
わたしは薔薇の戦士
散りゆく最期はどうかあなたの
指へとこの血のひとひらを
祈り歌わん 兜を脱いで
束ねた髪を解く
鬱金色の土濡らす夜露
今日も涙に代わり
この狂おしい胸だけが
真実を
讃えているのです
2.騎士乙女
作詞:Arika Takarano
作曲:Mikiya Katakura
枕の下 隠すは剣
古より私を護る
胸の痛みを塞ぐのは
その青き輝きのみ
戦うことを忘れ去って
白い絹に包まれたなら
今あなたが見えるのだろう
その手が持つ夢の姿も
でも何故
耳に響く咆哮
眠れぬ夜に眼は煌めく
被さった闇の隙間から
見上げなくとも心には
果てしない宇宙がある
生きることさえ忘れ去って
ひとりまたひとり後退る
微笑は寂しく優しく
まるで私哀れむように
ここには
永久に続く渇き
盾を持たぬこの身体が
浴びるは誰が血か己が血か
夕炎の朱も弾く肌に
恐れの色は宿らぬ
枕の下 隠すは剣
古より私を護る
胸の痛みを塞ぐのは
その青き輝きのみ
眠れぬ夜に眼は煌めく
被さった闇の隙間から
見上げなくとも心には
果てしない宇宙がある
3.亂世エロイカ
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
死ニ急ゲ 生キルナラ
魂ガ司ル 君ガ胸 戦場
荒ぶる神の抱擁を 受けしその身には
鬼が棲まうか蛇が棲まうか 舞い墜ちる崖の底で
尊ぶ命は天に有り 君よ満ちるまで
弱さ 怒り 強さ 痛み
ありとあらゆるもの そのすべてを呑み込め
眼蓋を抉じ開け 再び出逢おうが
もう同じ夢には 酔えるはずもないだろう?
幾度葬れば気が済もう 累々たる屍を踏み
繋がっているなど 愚かしい錯覚
言葉は嘘をつき 手は汗に解ける
独りでいるほど 漆黒の闇は濁らずに美しや
何を信じずも生きられる
うわべの優しさより 剣を見せろ
荒ぶる神の咆哮を 追うその脣
真十鏡磨げど心には 未だ愛の姿なくば
切望するは真実 君が握るまで
正も 悪も 清ら 猥ら
定まりきらぬもの そのすべてを収めよ
足を取る茂み 石に躓けど
君が通った後に 出来るが獣路
ひとりで抱くのは星が散る
剥がれた夜の欠片だろう
誰を待たずとも未来は来る
無意味な寂しさという 盾を外せ
破壊の神の吐息から 人は生まれ落ち
持つは般若か修羅の貌か まだ見えぬ己の影
絶望あれども刹那 君は変わりゆく
奪い 纏う 祈れ 呪え
生きる日々は乱世 受けて立つこそ運命
生キ急ゲ 死ヌタメニ
魂ノ貴サヨ 君ガ胸ハ天守
荒ぶる神の 抱擁を 受けしその身には
鬼が棲まうか蛇が棲まうか 舞い墜ちる崖の底で
尊ぶ命は天に有り 君よ満ちるまで
荒ぶる神の咆哮を 追えその肉体で
弱さ 怒り 強さ 痛み
ありとあらゆるもの そのすべてを呑み込め
4.寶島
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
窓を燃やす
夕日の朱は胸に
つつんで心臓
かがやく紅玉
航路は果てしない夢のように
どこまでも続き 酔いに戻す
西へ東へ
北へ南へ
長い日々をひとり生きて
探すのはこの指に
掴めないもの
床を濡らす
月光の青は皮膚に
うごめく斑猫
わずらう貴腐病
希望と絶望織りなす地図
水晶砕いた破片の先
空へ山河へ
海へ荒野へ
長い日々をひとり歩き
探すのはこの足が
踏み込めぬ場所
5.亡き王女のための…
作詞:ARIKA TAKARANO
作曲:MIKIYA KATAKURA
生まれても
生まれても
お空は暗い
息をして
息をして
お歌をうたう
つないだ
手と手の中にあるのはなに
子犬の鼓動と
水玉ひとかけら
カタリ コトリ
離さないで
戻っても
戻っても
夜明けはこない
また死んで
また死んで
お星が墜ちた
縫われた
まぶたの奥にあるのはなに
虫食い胡桃の実
蜥蜴のしっぽの骨
カラリ コロリ
さようなら
6.堕天國宣戦
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
留まる者 愚かなりし
はらりひらり指に触れた
黒い翼の 一片
君がひとつの物語なら
まだいくらでも書き換えられる
血のインクは乾かない
誰も知らない本当の僕ら
荒れた世界 変えるのは
追い求めたのは
ちっぽけな幸福
なんかじゃない
戦え 轟く鼓動を合図に
意のまま進めば
行く先 果てない
抗え のたうち幾度と破れど
刻もう 纏った傷跡に夢を
埋もれそうな今日の記憶
繋げるために 明日へ
僕らは神の造り賜うた
失敗作のただ美しい
弱さを抱く人形か
だけど心は 天も奈落も
超えて胸に たどり着く
満ち足りるのは
いつか目を閉ざす時だけでいい
戦え 交わる叫びは宣誓
合わせる力は
愛より尊い
奪わん 最後の止めを刺す剣
掲げよう すべてを突き抜く切尖
そこに集い充ちる光
育まれゆく 希望を
悟らん 轟く鼓動が教える
生きるということ
命というもの
闘え のたうち幾度と破れど
信じて 未知なる己の強さを
刻もう 纏った傷跡に夢を!
護らん 最後の止めを刺す剣
奪わん 最後にこの手が持つもの
掲げよう すべてを突き抜く切尖
そして集い充ちる光
身体に浴びて
はらり ひらり指はやがて
白い翼の 一片
訪なうもの 静かなりし
7.雪ノ女
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
粉雪を凍らせようか
地に舞う前に
吐く息ひとつで
つららと見紛う
氷の匕首
雲が裂けるたびに
月も刃を見せよう
憎しみの為に
出逢う定めも
また愛し 故に
藍より青く
想いを遂げるその日には
静かに空は澄みゆき
溶けるだろう
向き合う心は所詮
氷の鏡
亀裂を留めて
もはやその姿
映しはせぬまま
血の通った首に
ただ焦がれ続けた
刺し違えるなら
交わした契り
なお近し肌に
愛より深く
怨みを埋めてゆけども
冷たい涙に戻り
跡形無く
憎しみの為に
出逢う定めも
また愛し 故に
藍より青く
想いを遂げるその日には
遙かに空は澄みゆき
雪崩るだろう
8.刀と鞘
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
巡り逢ったが
運の尽き
ハラリ 零れ落ちる
言葉 連ねたとて
誰もわたしに在る真
触れも出来んじゃろ
サクラ 舞うが如く
今生とはおさらば
されど親に貰った
この身が可愛い
命より重い
ベベ纏い微笑う
傷は絶えぬ喧嘩上等
覚悟しいや
抜いては戻す
刀と鞘
断ち斬るは修羅
その裂け目に
堕ちた夢の
腑は無惨ぞ
相まみえて
滾らせる血を
分け合えるなら
愛し其方 止めを
刺してくんなまし
花の盛りが惜しいかえ
バサラ 男衆よ
肩に獅子を隠し
殺気立つ眼(まなこ)でわたし
射貫きゃよかろうが
いざや 迎え伐たん
女冥利に尽き
咲けど散れど互いに
根無しの草ぞ
人の世の厚い
情けなど無用
天上天下唯我独尊
なめたらいかんぜよ
突いては穿つ
身体の芯
毀(こぼ)れる刃
その虚空と
痛みの中だけに
心は生き
組んず解れつ
返す息は
緋の色を曵き
強いお人 魔道に
果てはありんすか
二人(ににん)地獄は浄土かえ
此処で逢ったが
百年目
あい おさらばえ
抜いては戻す
刀と鞘
断ち斬るは修羅
なおも向かう
場処は常に
一寸先の闇ぞ
相まみえて
滾らせる血を
分け合えたなら
愛し其方 一緒に
いってくんなまし
花の最期は見事ぞえ
9.腕 kaina
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
膝がくずおれる
地に着いた掌
汗と血は
青い砂に染み入る
空と海と 昼と夜の
間を生き 倒れるその身
でも世界は君に積もる
助けなど来ぬことは
もう知っていよう
目に見えぬものたちが
行く手を阻んでも
君が居るのは岩間の牢獄じゃない
いくらでも変えられる
その道の彼方を
私は待とう
光輝く君だけを
一人だと思うときほど
側にあるは影
真の暗闇を
けして与えぬように
閉じた瞼には
揺れる残像
風と波と 過去と未来
浮かび沈み 留まらぬ心
まだ世界は果てを持たず
夢を抱く翼には
触れる星遠く
己を護れるのは
己の他にない
君が纏うは鋼の甲冑じゃない
何度でも起き上がれ
痛み伴うなら
私が聴こう
胸裂けるほどの咆哮も
涙では洗い流せぬだろう
何一つ
目に見えぬものたちに
覆い尽くされても
墜ちてゆくのは土底の柩じゃない
いくらでも変えられる
その道の行方は
待ち続けよう
光輝くそのときを
そう
君が死ぬのは
私の腕の中だから
10.Hell's Maria
作詞:Arika Takarano
作曲:Mikiya Katakura
漆黒のベールさえ
わたしは息を掛けて
しばしのとき純白へと
塗り替える
ここには行き惑う
魂たちが集う
でもおまえはまだ
影さえ堕とさずに
地獄に生きれど
母なる聖なる
わたしは浅ましきゆえ
この身を腐らせ
おまえの何を呼び
死のない死を翫ぶ
痛みを隠すのは
ただひとつの悦び
皮膚の上を這う
炎の道しるべ
ここでは過ちも
真実も埋もれて
曝かれるは
己己 在るがまま
地獄の底こそ
天上の真上
罪を産み落とすは愛
わたしを抱くなら
おまえが生まれてきた
秘処を塞ぎ犯せ
地獄に暮らせど
母なる聖なる
美しき女たちは
永劫を背負い
戀しさに縋り
生なき生を葬る
11.灰桜
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
千切って幾千
わが心を
はらはら舞わせる
桜の花びら
差せども薄紅
積もれば薄墨
砕いて幾萬
この肉体を
ぱらぱら零れる
春の夜の霰
凍えた痛みは
裂けて痣となる
どうぞおひとりで
お出掛けくださいませ
宵闇にけして
振り向くことなきよう
烟って幾筋
わが命よ
はらはら舞い飛ぶ
桜の花びら
天に届くまで
寄り添っておくれ
蛇の目傘閉じて
歩いていてください
その肩の先に
ひとひら留まるまで
どうかおひとりで
お出掛けくださいませ
夜風の随(まにま)に呼びます
貴方の名を
蛇の目傘閉じて
歩いていてください
その肩にそっと
ひとひら融け入るまで
12.亂世エロイカ(Strings Ver.)
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